日常生活

【SLAMDUNK山王工業】モデルとなった能代工業のゾーンプレスを体感した話

“SLAMDUNK”

最終話から25年以上経っても色あせない、誰もが知っている最高峰のスポーツ漫画の一つです。

その中で登場する最強のチーム、山王工業

モデルとなった高校は、秋田県立能代工業高等学校です。

ユニフォームや戦術、選手の髪型など、どこをとっても能代工業そっくり。
だれが何と言おうと山王工業のモデルは能代工業で間違いありません。

異論は認めません!!!

 

漫画内でも描写されている山王工業のゾーンプレス。
モデルとなった能代工業もゾーンプレスが有名なチームです。

その能代工業の伝家の宝刀「オールコートゾーンプレス」実際に体感したことありますか?

私はあります。

もう10年以上前になりますが高校時代に能代工業と対戦しました。

ボコボコにされてますけどね!

能代工業が全国大会を連覇をしている頃の全盛期。
今となってはいい思い出ですが、圧倒的な力の差に呆然とする暇もなく必死で戦っていました。

そして、その時の体験をSLAMDUNKの描写と比べてみました。

描写通りのところもありますけど、漫画や映画と比べて「いやそれは違くね?」みたいなところもあるので、そんな実際に体験したお話をさせていただきます。

 

2021年4月、「能代工業」という校名がなくなります。
「能代工業」と「能代西」の2校が統合され、「能代科学技術」という新校名に。

殴り書きの記事ですが、能代工業との思い出として対戦したときのことを書いてみました。

Contents

そもそも能代工業って?

高校バスケ界の絶対王者。
近年は他校で外国人留学生の活躍が多く優勝は遠のいていますが、優勝回数は断トツ。

全国優勝は22回。
しかも7年連続1度、6年連続1度。

これ全国大会の優勝回数ですよ?
出場回数ではありません。

メジャースポーツとしては、ありえないくらいの成績を残しています。
サッカーや野球(甲子園)、バレーと比べても断トツの優勝回数です。

 

さらに秋田県予選で見てみると、昭和38年からこの令和元年まで全国大会に出られなかったのは、昭和43年と平成28年の2度のみ。
つまり直近57年間で、55回県大会王者です。

何が言いたいかというと、能代工業のバスケ部はめっちゃ強いってことです。

 

そして漫画内でも描写されていたゾーンプレス。
まずは見てもらった方が早いですね。
SLAM DUNKを読んだことある人は、ぜひこの動画も見てほしいです。

これが山王工業のゾーンプレスの恐ろしさ。

https://www.youtube.com/watch?v=YdBxdQtJNXA

 

この試合は1995年のウィンターカップ。
(スラムダンクの連載は1990年~1996年)

能代工業が2点リードして、始まった後半戦。
1分ちょっとで11点差に広げます。
たまらず相手校がタイムアウトをとる。

ユニフォームの色も含め、スラムダンクを思い浮かべてしまうシーンです。

SLAMDUNKの内容と同じ(似ている)ところ

漫画内の山王工業の試合を、実際の能代工業を思い出しながら読み返すと、非常にうまく能代工業が表現されていることが分かります。

「あー、めちゃくちゃわかるんですけどー」
「そうそう、それそれ」

って感じ。

実際に対戦した私が、どんなシーンで共感できたのか勝手に紹介しちゃいますね。

山王工業の設定

漫画内での山王工業での位置付けと、実際の能代工業。
能代工業がモデルとなっているだけあり、試合外でも能代工業のスタイルがそのまま描かれています。

髪型は坊主。
シンプルなユニフォーム。
オールコートのゾーンプレスという走るバスケのプレースタイルも能代工業そのままです。

あとは、山王のアップシーンで描かれているタップも実際に見ると「おぉー」と興奮したのを覚えています。

流川が「ただのタップじゃねーか」と言うように、タップは特に難しいメニューではありません。バスケをある程度経験している人であれば、難なくこなせるものです。

しかし、能代工業のタップは一段階レベルが違う気がします。
スピードと正確さが違うんでしょうか。
最後にシュートをします(漫画内ではダンク)が、外したのを見たことがありません。

とは言え、対戦時には既にスラムダンクが連載終了していたので、
能代工業のタップを見ただけで「お!山王のタップのリアル版だ!!!」という気持ちも。

つまり、試合の前から負けている状態におちいっていたようです。

あの赤木は自分自身で乗り越えられたやつ。
「悪いが皆さんの期待通りにはならん」ってやつ。

私には乗り越えられる精神力はなかったようです。

基本に忠実で、堅実なプレー

山王工業(能代工業)ってどんなイメージあります?

あまり派手なプレーをすることは想像できないですよね。

そのイメージ通り、派手なプレーや個人のスキルで攻めるよりも、対戦した当時も確実で正確なプレーで基本に忠実な攻め方をすることが多かったです。

漫画内でこんなシーンがありました。

試合開始早々、湘北(宮城&桜木)が奇襲としてド派手なアリウープダンクで先制。会場をドカンと沸かせる。

そのスーパープレイの余韻が残っているような状況で、深津が「同じ2点だピョン」と動じずに冷静にあっさりジャンプシュートを決める。

これぞ、もうまさに能代工業。
それを試合開始時点で描いてあるのが、能代工業を上手く表現しているなと感じました。

こっちが苦労して点とったのに、あっさり簡単に返してくる。

そして1つ1つのプレーの質が高いので、基本的なプレーばかりなのにやられる。

初めて能代工業と試合したときは、こんなことばかり。

中を守ったら外からやられるし、外を守ったら中に切り込まれるし、速攻の1人目2人目を防いでも、3人目、4人目までガンガン走ってくるし。

個人技でやられたという感覚はありませんでした。

というより、私たち相手には個人技で抜く必要もなかったのでしょう。

能代工業と戦って、基本の質の高さが重要だと身に沁みました。

ゾーンプレスのプレッシャー

ボールをフロントコートまで運ぶ(コートの半分まで進む)のに、あれほど苦労した試合は能代工業戦以外にありません。

宮城がゾーンプレスを突破できずに、ボールを取られるシーンで、こんなセリフが。

「おしてるぞこのやろう! いてェ!」

これも実際にゾーンプレスをやられると感じること。

(感じるというより押されてたんですけど・・・)

絶対に押されてたんですけど!

絶対に押してたぞ15番このやろう!!

 

 

 

失礼しました。

でも審判はファールをとってくれません。

その結果、一度ドリブルが止まってしまいます。すると一瞬で囲まれてパスを出せずにボールを取られて終わりです。

守るときってのは、一般的にコートの半分くらいから守るものなんです。
オールコートで守っていたら、抜かれた瞬間にスペースがありすぎてピンチになりますし、何よりものすごい疲れますから。

一般的なゾーンプレスの使いどころとしては、
「残り時間少ないけど、頑張れば追いつけるかもしれない」
なんてときにプレッシャーをかけることがよくあります。

例えば、残り1分で7点差くらいだとスリーポイント含め3本決めれば追いつける。
頑張ればいけそうじゃないですか?
でも相手にしたら、ゆーーーっくりと2回攻めるだけで、約1分時間稼ぎができるわけです。
そこでオールコートのプレッシャーをかけることで相手に時間を使わせないようにとにかく早くボールを奪って、こちらの攻撃回数を増やすというのが一般的な作戦です。

大体、試合終盤の追いつけそうな時間帯にやることが多いのですが、能代工業はそれを試合中ずっとやっているイメージです。

スタミナどうなってんの?と思います。

名朋工業のおっちゃんが「若えのによくわかっているじゃねーか 堂本」
と言っているように、試合展開が一方的でも決してその手を緩めることはありません。

 

みんな強い。層の厚さが半端ない。

みんな強いです。

どこでもエースになれるほどの実力がある松本。
将来の絶対的センターを任されるであろう河田(弟)。
DFのスペシャリスト一ノ倉。
全国屈指のリバウンド力がある野辺。

深津・沢北・河田(兄)などの超高校級プレイヤーの他にこんなメンバーがいるのです。

では実際の能代工業はというと、もっと層が厚いと思うようなメンバーばかり。

まずメンバー表には、中学校時代から知っている秋田県選抜レベル。
さらに秋田県外からのバスケ留学してきた優秀な選手がゴロゴロとメンバー入り。

スタメンの3年を中心としたバケモノ勢、さらに2年(既にバケモノ)、1年(来年のバケモノ)。
みんな強いです。

少し点差がついた頃に控え選手と交代されたのですが、控え選手もみんな強かったです。
なんならこっちは疲れてんのに、向こうはまたフレッシュな選手が出てくるので地獄です。

 

 

漫画と違うところ

個人的な感想ですが、漫画と違うところもあります。
しょせん漫画だな。と言いたいわけではありません。

 

ゾーンプレスは突破できる

スラムダンク内では、宮城のドリブル突破でゾーンプレスを攻略しています。
宮城のドリブルテクニックとスピードがあったからこそできたことでしょう。

ただ個人的には、1人でのドリブル突破はなかなかキツいと思います。

フロントコートにボールを運ぶのに苦労したと言いましたが、苦労しただけ。
苦労はしましたが、突破はできます。

ゾーンプレスに引っ掛かって、攻められなかったという記憶はありません。

どう攻略したかと言うと、簡単に言うと短いパスをポンポンまわしていくということで攻略できました。

もちろんそれだけではないですが、それなりに対策して試合に臨みますし。

なのでゾーンプレスで抑えられたというより、時間がなくなって無理にシュートを打たされて入らないという方が多かった印象。

ゾーンプレスされる。
なんとか突破はできる。
コートの半分まで運ぶのが遅くなる。
攻める時間がなくなる。
落ち着いて攻められない。
焦る。
シュート打つしかない。

24秒以内にシュートを打たなければいけないバスケにとって、コートの半分まで2秒で行けるのと8秒近くかかるのでは全然違うのです。

もちろんチームによっては、ゾーンプレスにハマってしまうことも。
冒頭にあげた動画がまさにその通りですね。

さらには攻撃意欲まで失ってしまった高校も。
そのチームは1試合で219点取られていました。

 

あまりない描写

スラムダンク内では、1on1の描写が多くありますよね。

しかし実際には1on1は少なく、決まったパターンがあるようなセットオフェンスが主体。

1回か2回のドリブルで抜けたらそのままシュート。
抜ききれなかったら空いている仲間へパス。
スクリーンを使ったチームプレイが多いです。

あと得点で割合が多いのは、リバウンドなどからの速攻。

1on1が多く描かれていますし、実際にも見どころではありますが
1人がボールを長く保持して、DFを抜きにくるということは実際には少ないです。

スクリーンして、空いている選手にパスして、フリーの人が決める。

非常にシンプルながら、質が高く止められません。

暇なひと向けに、暇なわたしが考えたスラムダンクベストメンバーを紹介します!

【スラムダンクベストメンバー】最強の5人を勝手に考えてみる

個人的な余談

SLAMDUNKは1990年~1996年の漫画。

つまり今から30年も前。
若い世代だと知らない人もいるんですかね。

余談ですが、私が能代工業と戦ったのは全国大会ではなく秋田県予選です。

秋田県では最高47連覇の能代工業。
秋田県内のバスケ部は秋田県代表を目指して練習に励むわけですが、高校最強チームが相手では県予選の時点でハードルが高すぎます。

当時、秋田県はバスケのレベルが高いと言われていて、実際に秋田ベスト4のチームが近隣の青森・岩手・山形の優勝校に交流試合で勝つほど。

高校時代はずーーーーーーーっと、前年優勝校がいる都道府県は出場枠を増やしてくれ!と思っていました。

とは言え、準優勝にもなれていないのでどっちにしろダメだったんですけどね!
ちなみに私が高校最後に戦った相手は、平成高校。
年代は違いますが平成28年に能代工業の47連覇を阻止した高校です。

また、あの青春感のある時代に戻りたいなー。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

スポーツ漫画をもっと読むならここ!!

関連記事