日常生活

痴漢を捕まえたときの話

痴漢に遭遇したことありますか?

私は痴漢は絶対に許さん!次見つけたら絶対捕まえる!と思っていました。
それは以前に痴漢と間違えられて、本当の犯人が分かっていながらも捕まえられなかったという苦い経験があるからです。

その記事はこちら

https://yokohamaism.com/wronggroper/

今回は痴漢を確保した話をします。

Contents

駅に鳴り響く怒号

それは朝の8時過ぎくらい。通勤時間帯とは言えそこまで混んでいなかった電車に乗り、いつも通りに勤務先の最寄り駅で電車を降りました。

降りてすぐに10m先から大声が聞こえました。
電車に乗っている人もその駅で降りた人も、全員がその声の方向に視線を向けます。

「その人 捕まえてください!!!」

声の持ち主は、30代後半のサラリーマン。
かなり怒った様子で1人の男を指差しています。

その指の先には、私とちょうどすれ違ったトレンチコートを着て眼鏡をかけて
いかにも真面目に仕事をしていそうな40代のサラリーマン。

30代の男性が40代男性に向かって「捕まえてください」

ん?
どういうことだろ。
自分で捕まえればよくね?
どんなトラブル?

と私は状況が把握できていませんでした。

トラブルの内容とは

私が声をあげていた30代の男性に「何があったんですか?」と聞くと同時に
その男性は1人の少女に駆け寄っていました。

少女は泣いています。
まだ小学校2,3年生と思われる小さい肩を抱いて、
「痴漢です!!捕まえてください!!」
男性はまたも怒った口調で、今度は私だけに向かって言いました。

「おっけい!任せろ!」
とすぐには言えず、まだ状況が読み込めません。

男性同士のトラブルだと思い込んでいたこと。
そしてなんであんたが捕まえないんだと思っていたんでしょう。

少女の肩を親し気に抱いていた男性を見て違和感を感じた私は、なぜかこんな質問をします。
「え、どういう関係なんですか?」

男性は怒った口調で言います。
「私の娘です。あの人が痴漢です。捕まえてください!」

ようやく状況が分かった私は、その男を追いかけます。
痴漢捕まえてやると思って追いかけていましたが、自分のときのように間違いだったらどうしようとも思ってしまいました。

あと少しだけこんなことも思いました。

俺、協力してる側なのになんで怒られてんだろ。

痴漢を確保!

痴漢男は、早歩きで階段へ向かっていました。
私は小走りで追いかけます。

逃げる様子はなく、すぐに追いつきました。
「すいません。ちょっと一緒に来てください。」

と謎の声掛けをしましたが、男は無視。

あんな綺麗な無視をされたのは生まれて初めてでした。

あれ、俺はいつの間にか透明人間になっちゃったのかな。
というくらいの見事な無視。もはや無視じゃなく無です。

「違うなら違うって言えばいいし、やったなら認めてください!もう逃げられませんから。とりあえず改札行きましょう」

私は当時まだ22歳。40代の痴漢男にはどうやっても負けない自信があったので少し強気に言いました。

すると痴漢男は諦めたのか、私についてきました。

みんなで仲良く改札へ

被害者のパパにも「とりあえず改札で駅員さんに事情話しましょう。」と伝え一緒にきてもらいました。

少女はずっと泣いています。
パパはずっと怒っています。

当たり前ですよね。

痴漢男は一言も喋りません。
結局、わたしはこの男の声を一度も聞くことはありませんでした。

痴漢男は駅員さんに連れられ別室へ。

私は被害者パパと共に駅員に事情を説明します。

そこで分かったこと。
・今回初めて痴漢されたわけではない
・いつもあの痴漢男にやられていた
・今日は捕まえるために仕事を休んだ
・娘と他人のふりをして電車に乗った

少女はずっと泣いています。
本当に許せません。

痴漢男も正直言うとそんな風に見えないんです。
見た目は普通の真面目そうなサラリーマン。

でもさすがに擁護はできません。

駅員さんに一通り事情を説明し、私は仕事へ向かいました。

その後警察が来て、どうなったのかは私には分かりません。

痴漢は許せない

今現在も、そしてこれからもこの少女は、トラウマを持ったまま生きていくことになります。

私は第三者の立場でありながら、はっきりと印象に残った出来事であり、痴漢男に対して許せない気持ちが強くあります。
きっと少女とその家族はそれどころではないでしょう。

もし痴漢男に家族がいたら、その家族もあの痴漢男の被害者。

絶対に痴漢は許せません。

 

 

 

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